「いずも」に乗船したドゥテルテ大統領ら=スービック、鈴木暁子撮影
フィリピン・ルソン島のスービック港に4日寄港した海上自衛隊の最新鋭護衛艦「いずも」にドゥテルテ大統領が乗艦し、ロレンザーナ国防相らとともに約1時間半にわたって内部を視察した。
いずもは5月から約3カ月間、南シナ海とインド洋で活動する予定で、ベトナムやシンガポールにも寄港している。いずもが初めてフィリピンに寄港した背景には、南シナ海で軍事拠点化を進める中国を牽制(けんせい)する狙いがある。ドゥテルテ氏は南シナ海問題について、記者団に「法の支配のもと平和的な方法で紛争を解決したい」と強調した。
一方、昨年7月に常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が出した南シナ海での中国の主張を否定する判断は、中国との間で「持ち出さない」と述べつつも、「我々のものであり、現地で石油も探査する」と南シナ海でのフィリピンの権利を主張した。
今月初旬の日本訪問をキャンセルしたドゥテルテ氏は、11月の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議前に、再訪問したい考えを明らかにした。(スービック=鈴木暁子)