各国の指導者とタックスヘイブン(租税回避地)との関わりを暴いた「パナマ文書」を入手した南ドイツ新聞は6日、情報提供者から同紙に寄せられたという声明を公表した。「いくつかの大手報道機関にも情報を提供したが、取材を見送られた」と明かし、「当局に情報を提供したい気持ちがある」としている。
特集:パナマ文書
情報提供者は「ジョン・ドウ」を名乗り、国籍や職業、年代などは明かされていない。「ジョン・ドウ」は日本の「名無しの権兵衛」にあたる英語表現だ。
声明を出した人物は「いかなる政府機関や情報機関でも働いたことはない。文書を提供したのは私自身の判断であり、特定の政治目的はない」と説明。所得の不平等や法律家の腐敗について触れ、情報提供の動機について「不正義の大きさを分かってもらえると理解したから」としている。内部告発サイトのウィキリークスにも連絡したが、返答をもらえなかったという。
南ドイツ新聞の記者は、声明の人物が「ジョン・ドウ」と同一人物であることについて「全く確実だ」と話している。(編集委員・奥山俊宏)