ロンドンで7日、市長選での当選を受け、演説するサディク・カーン氏=AP
任期満了に伴うロンドン市長選は、5日に投票が行われ、6日の開票の結果、弁護士出身の労働党下院議員サディク・カーン氏(45)が初当選した。同氏はロンドン生まれのパキスタン移民2世で、イスラム教徒の市長は2000年に市長公選制を導入したロンドンで初めて。
08年から市長を2期8年務めた保守党のボリス・ジョンソン氏(51)は兼務していた国会議員に専念する。市長選には12人が立候補したが、事実上、ジョンソン氏の後継を目指した保守党下院議員ザック・ゴールドスミス氏(41)とカーン氏の与野党一騎打ちとなった。争点は、深刻な住宅不足や治安対策、人口増でパンク気味の交通網の改善などだった。
英メディアによると、ゴールドスミス氏の陣営はカーン氏を「急進的」と呼んでイスラム過激派と結びつけようとするなど、批判を展開。こうしたキャンペーンが逆に「人々の分断をあおる」と支持離れを招いた面もあったとみられる。
英BBCによると、投票率は速報値で45%(前回38%)だった。(ロンドン=渡辺志帆)