5回、カルモナを攻める井上尚弥=杉本康弘撮影
(8日、プロボクシング・ダブル世界戦 WBOスーパーフライ級)
井上尚弥・八重樫東ともに防衛成功
日本ボクシング界の「怪物」が、初めてダウンを奪ったのは、12回終盤だった。井上尚は、ぐらつく挑戦者をロープに追い詰め、ラッシュをかけたが、ほどなく終了のゴング。「あー」。観衆から一斉にため息が漏れた。
開始早々、アクシデントに見舞われた。2回。「顔を打った時に痛くなった」と右拳を痛めてしまう。「足を使ってポイントを取れたが、自分は納得できなかった」。無敗王者の誇りで、5回からは利き手と逆の左や足を使って応戦。連打で顔を捉え、終盤にもボディーでカルモナの顔を曇らせた。だが、「左も徐々に痛くなった」。威力の落ちた拳で挑戦者をリングに沈められず、最終ラウンドまで付き合ってしまった。