排水管用の部品を製造する「東栄工業」(東京都豊島区)が約3億9千万円の所得を隠し、法人税など計約1億2200万円を脱税したとして、東京国税局が同社と実質経営者の鴨下行博・前社長(67)を法人税法違反などの疑いで東京地検に告発したことがわかった。
関係者によると、同社は2014年12月期までの3年間、取引先にうその請求書を作らせ、架空の調査研究費を計上。所得を少なく見せかけ、法人税約1億円を脱税した疑いがある。また、消費税についても約2200万円を脱税したとされる。こうした資金は貸金庫で保管していたという。
同社は取材に「指摘は真摯(しんし)に受け止め、すでに修正申告し納税を済ませた」としている。
民間信用調査会社などによると、東栄工業は1974年設立で14年12月期の売り上げは約6億円。臭いや害虫を防ぐために管に取り付ける逆流防止弁を製造している。