新しい「槐(えんじゅ)の間」で記念撮影をする宿泊客たち=岩手県二戸市・金田一温泉郷の旅館「緑風荘」、金本有加撮影
「座敷わらしに会える宿」として知られる岩手県二戸市の温泉旅館「緑風荘」が14日、火災で全焼してから約6年半ぶりに復活オープンした。3代目社長の五日市洋(しょう)さん(49)は「新しい建物で座敷わらしも喜んでくれていると思う」と、ほっとした表情を見せた。
全焼の座敷わらしの宿、再開へ 周囲で相次ぐ不思議体験
緑風荘は1950年創業。70年代に作家三浦哲郎が座敷わらしを題材にした小説「ユタとふしぎな仲間たち」を発表、劇団四季が舞台化して全国に知られるようになった。
2009年10月の火災の後、全国から寄付金約1千万円が寄せられたうえ、ファンドを設けるなどして再建費用2億9千万円を工面した。座敷わらしが出ると伝えられ、かつては3年先まで予約が埋まった「槐(えんじゅ)の間」は、観光客のための交流スペースになった。