試合終了の笛が鳴り、初優勝を決めて喜ぶ十文字の選手たち=神戸市
(8日、全日本高校女子サッカー決勝 十文字1―0大商学園)
十文字が初優勝 全日本高校女子サッカー
十文字の悲願は主将の鮮やかなミドルシュートで決まった。
後半16分。10番を背負うFW村上(3年)が混戦の中でパスを受ける。一瞬顔を上げた。ゴールまで約30メートル。「狙える」。ワントラップして、利き足ではない左足を振り抜く。ボールは大きな弧を描いてゴール左隅のネットを揺らした。「前日のミーティングで相手GKが前に出る癖があるって分析していたので」。してやったりの笑顔を浮かべた。
十文字は石山監督が1996年に「ボール1個から立ち上げた」。地道に力をつけ、今では20人近いスタッフが支える。「本当に実感がない。今までのみんなの力だと思います」。優勝杯を突き上げて喜ぶ選手を満面の笑みで見つめた。(大西史恭)