石井啓一国土交通相は15日、地震後に落ち込んでいる九州観光の振興策として、周遊旅行のクーポン券を発行することを表明した。宿泊施設の割引などに使えるもので、公費負担で6月にも発行するという。
一連の地震で被災した熊本、大分両県の観光地を視察した後に述べた。石井氏は、観光客が増える夏から秋の入り込みを回復させるため、「国交省としてできる限りの支援をしたい」とし、韓国や香港、台湾の旅行会社の担当者らを両県に招く方針も示した。地震前と変わらず営業している施設も多くあることを示す狙いだという。
石井国交相の被災地視察は、熊本県は4月下旬に続いて2回目、大分県は初めて。午前は熊本県阿蘇市で阿蘇神社などを視察し、午後は大分県由布市の湯布院温泉を訪ねた。地元との会合では、広瀬勝貞・大分県知事らが、観光支援として高速道路料金の割引や観光情報の発信強化を求めた。(平塚学)