斎田大五朗容疑者宅から押収物を運び出す愛知県警の捜査員=17日午後5時19分、愛知県常滑市新田町2丁目
愛知県常滑市が誘致した太陽光発電施設をめぐり、設置予定地の土地所有者から「測量費」名目で現金約550万円をだまし取ったとして、愛知県警は17日、元常滑市議の岸田嘉成(63)=同市大谷=、同市議の斎田大五朗(40)=同市新田町2丁目=の両容疑者を詐欺容疑で逮捕し、発表した。
収賄容疑で逮捕の愛知・常滑市議が辞職届 受理される
岸田容疑者は容疑を認め、斎田容疑者は「私は詐欺をしていない」と否認しているという。
捜査2課によると、市議当選前に市の企業誘致担当だった岸田容疑者は、土地家屋調査士の斎田容疑者と共謀。2014年7月下旬ごろ、土地の売買交渉などを担当した斎田容疑者が、土地所有者の女性(69)に「支払ってもらう測量費は550万8千円」などとうそを言い、同年9月上旬ごろ、斎田容疑者名義の口座に同額を送金させ、だまし取った疑いがある。
県警によると、実際の測量費は施設の設置会社が全額を負担しており、だまし取った金は両容疑者で分け合っていたという。両容疑者はその後、15年4月の市議選でともに初当選した。
同施設の測量業務をめぐっては、業務を受注させる見返りに測量業者から現金計200万円を受け取ったとして、県警が岸田容疑者を収賄容疑で逮捕。同容疑者は今月2日付で辞職した。
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片岡憲彦・常滑市長と相羽助宣・同市議会議長は連名で「容疑内容が事実であれば誠に遺憾。岸田元議員の収賄容疑に引き続き、市民の信頼を裏切った行為に対して深くおわび申し上げます」とのコメントを出した。