4年前に米フロリダ州で黒人の少年が銃で撃たれて死亡した事件をめぐり、殺人罪に問われながら無罪となった元「自警団長」の白人男性が、少年を撃った銃をネットオークションにかけ、20日までに落札された。地元紙によると、最高入札額は15万ドル(約1650万円)以上とみられる。男性は「複数の貴重な目的のための資金となる」としているが、遺族の代理人は強く反発している。
事件は2012年2月に起き、コンビニで買い物をして帰る途中だったトレイボン・マーティンさん(当時17)が、ジョージ・ジマーマン氏(32)に撃たれて死亡。マーティンさんが丸腰だったことや、ジマーマン氏が当初逮捕されなかったこともあって、全米の注目を集めた。ジマーマン氏は第2級殺人罪で起訴されたが、公判では「マーティンさんから襲われ、正当防衛で撃った」と主張し、13年に無罪となった。
「最近になって当局から銃の返還を受けた」とするジマーマン氏は最低価格を10万ドルに設定して競売。同州に住む男性は20日、地元紙に「15万ドルの購入で合意したが、さらに高い値段を示した人がいてジマーマン氏が撤回した」と語った。遺族はコメントしていないが、代理人弁護士はCNNに「4年たって再びトレイボンを撃って殺しているようなものだ」と語った。(ニューヨーク=中井大助)