サーブを放つ上地結衣=向井宏樹撮影
東京・有明コロシアムなどで開かれている車いすテニスの国別対抗戦「ワールドチームカップ」で、世界ランキング2位の上地(かみじ)結衣(エイベックスHD)が日本女子を3位に導いた。リオデジャネイロ・パラリンピック日本代表に内定した22歳の上地は「リオで勝つためにさらに成長していきたい」と意気込む。
上地結衣特集「世界で勝ち続ける」
27日のロシアとの3位決定戦で上地はシングルスとダブルスに出て、2勝をあげた。ここぞで繰り出したのが、昨年から試行錯誤を重ねて習得したバックハンドのトップスピンだ。女子で使える選手は珍しく、スライスと組み合わせることで攻撃の幅はグッと広がる。今大会で使った感触について、「悪くはなかった」と評価した。
この後、全仏オープンに向かうが、4大大会よりも、4年に一度のパラリンピックに強い憧れを抱く。生まれつき脊椎(せきつい)に障害のある上地にとって、「障害者スポーツの祭典、パラリンピック」の方が身近だったからだ。高校3年で初出場したロンドン大会は単複ともに8位。大学進学や就職を考えてここで第一線を退くつもりだったという。だが、周囲の熱狂ぶりに「日の丸をつけてこの舞台で応援されたいと思った」。気持ちはリオに向かった。