名古屋刑務所(愛知県みよし市)に収容されていたブラジル国籍で40代の元受刑者男性が5月下旬、釈放後に一時、行方不明となっていたことが刑務所などへの取材で分かった。本来は釈放直後に名古屋入国管理局(名古屋市)に身柄が引き渡されるはずだったが、手違いがあったという。男性は4日後に確保され、入管施設に収容された。
刑務所などによると、男性は公然わいせつ罪で懲役8カ月の判決を受けて刑務所に収容。5月26日朝が釈放予定で、強制退去のため、直後に入管職員に引き渡す予定だった。
だが、釈放事務に携わる刑務官が誤認し、同日午前8時25分ごろに釈放。男性はその場を立ち去った。釈放の約10分後に入管職員が迎えに来たことでミスが発覚したという。男性は同月30日午後、名古屋市内で入管職員によって身柄を確保された。
釈放当時、隣の三重県では、伊勢志摩サミットが開催中だった。名古屋刑務所は情報の伝達などに問題がなかったか調査している。別府公昭所長は「関係各所にご迷惑をおかけしたことは痛恨の極み。原因を徹底的に追及し、再発防止を図ります」とのコメントを出した。