北九州市で2012年、暴力団排除の標章を掲げたクラブの男性役員が刺された事件で、福岡県警が指定暴力団工藤会系組幹部の田口義高容疑者(50)ら男7人を殺人未遂などの疑いで逮捕し、3日発表した。付近の防犯カメラには、実行役とみられる人物や車が映っていたことが捜査関係者への取材でわかった。
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県警によると、田口容疑者は工藤会2次団体、田中組のナンバー2で、他の6人のうち5人は同組幹部と組員。残る1人は田口容疑者の知人で、事件に使われた車を貸した殺人未遂幇助(ほうじょ)容疑で逮捕された。
田口容疑者ら6人は12年9月26日未明、北九州市小倉北区下到津(しもいとうづ)1丁目のマンション前で、クラブを同市で営む会社の男性役員(57)の尻を刃物で数回刺し、殺害しようとした疑いがある。県警は7人の認否を明らかにしていない。男性は重傷を負った。
捜査関係者によると、現場付近の防犯カメラには、容疑者らとみられる男や移動に使ったとみられる車が映っていた。県警は関係者の供述も踏まえ、7人を割り出したとしている。
県では12年8月、標章を掲げた店に立ち入った暴力団組員に罰則を科す条例が施行された。その後、北九州市と福岡市では掲示への報復とみられる殺人未遂が4件、放火が5件起きた。
このうち、ビル2棟のエレベーターが放火された事件で県警は昨年11月、工藤会ナンバー3の菊地敬吾被告(43)らを逮捕。他の標章関連事件も工藤会が関与したと県警はみている。