プロボクシングの元ヘビー級王者、モハメド・アリさんが3日、米アリゾナ州の病院で死去した。74歳だった。家族の代理人によると、「32年間にわたるパーキンソン病との闘病の末」だった。オバマ米大統領が「モハメド・アリは世界を揺るがした。そして、それによって世界はより良い場所になった」と声明を出すなど、その死を悼む声が広がっている。
特集:モハメド・アリさん死去
オバマ氏は声明で、自らの書斎にアリさんのグローブと写真を飾っていることを明らかにし、「困難な時に立ち上がり、他人がしない時に発言をした」と称賛した。また、ベトナム戦争への反対や信仰を理由に米軍への入隊を拒否して王座を失っても立場を貫き、やがて復帰して勝利したことが「(より多様な)今日の米国に私たちを慣れさせてくれた」と述べた。
1996年にアリさんが聖火を点灯した米アトランタ五輪の際の大統領だったクリントン氏も、「栄光と試練を通じて、その伝説よりさらに偉大になった男性と、友情を築けて光栄だった」との声明を発表。映画監督や歌手、政治家ら著名人が相次いで追悼の声明を出している。米メディアは死去をトップニュースで伝えた。