調査に当たった森本哲也弁護士(左)と佐々木善三弁護士(中央)が同席する会見で、記者の質問に答える舛添要一・東京都知事=6日午後5時1分、都庁、林敏行撮影
「粉骨砕身、都政の運営に努める」――。舛添要一知事の政治資金の使い道の疑惑をめぐり、調査結果が6日、公表された。不適切な支出を指摘された舛添知事は、都庁での記者会見で「反省」を繰り返しつつも、「都政に全力を挙げる」として、知事の職を続ける考えを改めて強調した。
舛添氏問題「不適切な部分ある」 調査報告、知事続投へ
調査で多数の不適切な支出を指摘され、「恥ずかしい」「汗顔の至り」と繰り返した舛添知事。「『他人に厳しく自分に甘い』『身銭を切っていない』という批判には、厳しく反省したい」と神妙な面持ちで述べた。
一方で、調査した弁護士の説明が終わると、真っ先に「違法な点はないとの結果を聞きました」と話した。「生まれ変わった気持ちで新たに都政に尽くせるよう説明責任を果たす」と表明した。だが、家族で行った千葉県木更津市のホテルで会ったとされる人物の名を問われると「弁護士の先生が調査されたので差し控えたい」と自らの説明を避ける場面もあった。
会見での主なやりとりは次のとおり。
――都民は納得すると考えるか。
「調査は厳正に行って頂いた。違法ではないけど不適切であるということですので、しっかりと対応してまいりたい」
――公私混同の指摘について責任をどうとるか。
「都議会でしっかりと議論する。その過程でどういう対応をとるのか考えたい」
――どう信頼回復していくか。
「生まれ変わった気持ちで都政に全力を挙げる形で。そう一朝一夕には信頼回復できないと思うが、努力して仕事していく」
――千葉県木更津市のホテルに宿泊された際にどなたと会ったのか。
「弁護士の先生方が調査されたことなので、私からは言うことは差し控えたい」
――誠実性のある説明とは分かりやすく答えていくことだと思うが。
「『お前の言うことは信じがたい』ということですから、弁護士の方にお願いしたということです」
――違法な点はないという報告をうけて正直、ほっとしているか。
「不適切な点がたくさんあるという厳しい指摘をうけているので、まさに汗顔の至り」
――違法でなければ辞職は考えないということか。
「指摘されたことはきちっと対応したい」
――給与の一部返納やカットは考えていないのか。
「まずは明日(7日)からの都議会の代表質問、一般質問を通じ、そういうプロセスのなかで考えたい」
――公私混同が調査で裏付けられたが、知事にとどまる資格があると考えているのか。
「今は全力を挙げて都民のために働かせていただきたいと思っている」
――有権者は納得すると思うか。
「有権者のご判断におまかせしたいと思う」
――世論調査でも多くの人が知事は辞めるべきだと言っている。民意が離れている時点で、もう一度民意を問う判断もあると思う。
「厳しい批判を受けていることを踏まえて、これを真摯(しんし)に反省し、全力を挙げて都政のために働くということです」(別宮潤一、中田絢子)