小学1年生のころの山下玲奈さん(左)と須藤真与さん=2000年8月、大阪府箕面市、遺族提供
8日で発生から15年を迎えた大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)での児童殺傷事件。時は流れても、わが子を失った家族や友を失った人たちは、いまも心の中にいる被害者とともに、それぞれの道を歩んでいる。
池田小事件から15年、風化させない 祈りと誓いの集い
■学校の安全守りたい
事件で亡くなった2年生の山下玲奈(れな)さん(当時8)と大の仲良しだった須藤真与さん(22)=兵庫県川西市=は今春、大学を卒業して高校の先生になった。心の中で玲奈さんの笑顔を思い浮かべ、教壇に立つ。
7日夜、須藤さんは玲奈さんの自宅を訪れ、仏壇に「いつも見守ってくれてありがとう。私、先生になったよ。同級生のみんなも社会人だよ」と報告した。
玲奈さんとは幼稚園の3年間、同じクラス。お互いの家に泊まりに行き、いつも一緒に遊んだ。川でカニを探したり変な顔を見せ合ったり。別々の小学校に進んでからも手紙を交換し、夏休みには英語で授業を受けるサマースクールに一緒に通った。同じ髪形にして撮った写真や「まよちゃんすきだよ」と書かれた手紙を今も大切に持っている。
15年前、玲奈さんの家を訪ねると、涙を流したお父さんが横たわった玲奈さんの体をさすっていた。お母さんはおばあちゃんに抱きしめられ、泣いていた。
そのときはのみ込めなかったが、約1カ月後、「ああ、玲奈ちゃんはおらんくなったんや」と理解した。おそろいで買ってもらったキャラクター「トゥイーティー」のハンカチを握りしめ、声を上げて泣いた。