指定暴力団山口組の分裂に絡み、愛知県内の暴力団事務所が抗争に備えて窓の補強やカメラ設置の工事をしたことは県暴力団排除条例に違反する――。そう判断した県公安委員会は8日までに、県内在住の指定暴力団「神戸山口組」系会長(45)と組長(35)、名古屋市内の建築会社に対し、抗争を助長する工事をしないよう勧告を出した。
県警組織犯罪対策課によると、暴力団の抗争対策工事に対する勧告は全国初という。建築会社は会長らの依頼を受けて昨年9月、組事務所の窓をスチール鉄板20枚で補強したり、監視用カメラとモニター一式を取り付けたりしたとされる。
警戒中の警察官が工事に気づいて発覚。建築会社の経営者男性(34)は組長と知人で、工事の目的が抗争対策だと認識していた。3人とも勧告に従う意向を示しているという。
神戸山口組は昨年8月、山口組から分裂して結成。今年3月、山口組と神戸山口組は対立抗争状態にあると警察庁に認定された。