リマで10日、記者会見に臨んだケイコ・フジモリ氏(中央)=AFP時事
5日に決選投票が行われた南米ペルーの大統領選の開票結果を受け、フジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏(41)が10日午後(日本時間11日未明)、「我々は民主的に投票の結果を受け入れる」と述べて敗北を認めた。クチンスキー元首相(77)はすでに勝利宣言しており、国を二分した歴史的な大接戦に一区切りがついた。
グレーのスーツに身を包んだケイコ氏は、やや硬い表情で記者会見に臨み、今後の自らの役割について「責任ある野党になる」「次期政権の監視役となる」と発言。「我々に投票した850万人以上の国民のため常にペルーの未来を考え続ける。決して失敗はしない」と語った。
激しい選挙戦のなか、クチンスキー氏はフジモリ元大統領の時代の「人権侵害」や「汚職」を指摘し、ケイコ氏を父親と重ね合わせて「民主主義への脅威」などと攻撃した。
ケイコ氏は会見で「これだけは言わなければならない」と前置きした上で、「選挙戦では憎しみや狂言が呼び起こされ、ペルー人の間に対立を起こすキャンペーンがあった。民主主義を傷つけるものだ」と述べ、自身に向けられた攻撃を非難した。
選管発表によると、開票率100%での得票率はクチンスキー氏が50・12%、ケイコ氏が49・88%で、票差は約4万2千票。集計が終わっていない疑問票は残り2千票程度とみられる。(リマ=田村剛)