元米海兵隊員で軍属の男が女性を殺害などした容疑で逮捕された事件を受け、沖縄県の翁長雄志知事を支持するグループが準備を進めている抗議の県民大会について、公明党県本部が11日、参加しないことを同グループ側に伝えたことがわかった。自民党も現在の計画では参加できないとの立場を示しており、19日の大会は超党派での開催が難しい情勢になった。
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翁長氏を支持するグループは11日までに、公明県本部、自民県連などに大会への参加を要請。関係者によると、公明県本部幹部が同グループ幹部に、同グループで主催する現在の計画を白紙化し、県議会全会派による新たな実行委員会をつくらない限り、大会には参加しないと伝えたという。県本部幹部は取材に「保守も革新もなく、怒りと哀悼と基地に対する思いを表す場にするべきだ」と話した。
自民県連はまだ回答していないが、県連幹部は「一緒に憤りを表明できる場にしてほしいと言ってきたが組織作りや要求項目作りに関わらせてもらえない。現時点では参加できないだろう」と話した。
県民大会は、翁長知事を支持する政党や労組、企業関係者らのグループが、19日午後2時に那覇市の奥武(おうの)山(やま)陸上競技場で開くと発表。被害者への追悼のほか、事件への抗議、在沖米海兵隊の全面撤退などを求める決議をする方向で準備を進めている。公明の回答を受け、県議会の与党会派は12日にも会合を開いて対応を協議する。(上遠野郷)