ポール・マッカートニーさん
EU離脱か残留か。英国を代表する著名人の間でも意見は割れている。
特集:EU離脱問うイギリス国民投票
「欧州にいてこそ英国はより強く、より創造的でいられる」。俳優のベネディクト・カンバーバッチさんやジュード・ロウさん、キーラ・ナイトレイさんら著名人約280人が5月、連名で残留支持を表明した。車椅子の物理学者として知られるスティーブン・ホーキングさんら150人以上の学者も連名でメディアに寄稿し、欧州からの寄付金や研究者が英国科学の進歩を支えているとして「離脱は大惨事だ」と訴えた。
一方離脱派では、俳優のマイケル・ケインさんが、EUを「みんなの代理人でできた政府」と揶揄(やゆ)し、「顔のない何千もの役人に指図されるなんてあり得ない」とコメント。元サッカーイングランド代表のソル・キャンベルさんは、移動の自由によって欧州のサッカー選手が英国に押し寄せ、若い英国人選手が出場機会を逸し「追いやられている」と懸念を表明した。
立場を明確にしていない人も。ローリング・ストーンズのミック・ジャガーさんは4月に英テレビで、「個人的にはどちらでも大きく変わらないと思う。離脱は短期的には有害だろう。20年ぐらいの長い目でみたら有益な結果になるかもしれない」と発言。国民投票を決めたキャメロン首相の判断について、「もし問われたのが今日だったら、彼は国民投票を実施しようなんて思ったかな」と話した。元ビートルズのポール・マッカートニーさんが5月、仏メディアに「(どちらにするか)まだ決めていない。最後には最良の結論が出るさ」と話すと、同氏が生んだヒット曲にかけて「ポールはハローかグッバイか未定」「なるがままに(レット・イット・ビー)」などと報じられた。
一方、英国の国民的娯楽である大手ブックメーカー(公認賭け屋)ウィリアム・ヒル社のオッズ(配当率)は、18日の時点で残留1・5倍、離脱2・6倍。離脱のオッズが高いのは、離脱派リードという世論調査と異なり、残留の可能性が高いと考える人が多いことを示している。