松阪サイクルクラブでは、子どもたちもタイムトライアルに参加した=三重県松阪市の松阪競輪場
三重県松阪市の松阪競輪場が、一般の自転車愛好家もバンク(走路)での走行を楽しめる通年型のクラブを始め、人気を集めている。初心者歓迎で、参加者の年齢層も幅広い。現役の競輪選手が教え、プロさながらのレースもある。競輪ファンの高齢化で集客に陰りが見える中、ファンの裾野を広げるアイデアだ。
5月下旬、松阪競輪場では約20人がバンクで風を切っていた。タイムトライアルなどの記録会で競い合い、上位入賞者らはプロのレースで使う表彰台にも立ち、笑顔を見せた。津市の西川楓雅(ふうが)君(8)の夢は五輪選手。普段は公道を走っているが「ここでは車に気をつけなくてもいいから、ビュンビュン飛ばせます」と汗を拭った。
参加者は、昨秋発足した「松阪サイクルクラブ」のメンバーだ。月2~3回、バンク内で走行練習する。年会費は大人5千円、高校生3千円、中学生以下2千円。1回だけの参加も可能。会員数は45人で、年齢層も小学生から60代までと幅広い。
指導するのは、松阪をホームとする現役選手だ。舛井幹雄(もとお)選手(44)は「競輪場を身近に感じてもらい、松阪を自転車の街として盛り上げたい」と言う。