改正風営法が施行され、JR渋谷駅前で関係者と喜ぶZeebraさん(左)=23日午前0時すぎ、東京都渋谷区、竹花徹朗撮影
「この度の法改正により、クラブなどの深夜営業が可能となります。日本の夜の経済、夜の文化の新たな扉が開きます」
クラブ営業、オールナイトOK 改正風営法が施行
23日午前0時、東京・渋谷のスクランブル交差点の四つの大型ビジョンに、「クラブとクラブカルチャーを守る会(CCCC)」の会長でラッパーのZeebra(ジブラ)さんによるメッセージ動画が映し出された。ダンス営業規制を緩和する改正風俗営業法が同日から施行されるのに合わせた、キャンペーンの一環だ。
DJやアーティストらでつくるCCCCは「PLAYCOOL(クールに遊ぼう)」のキャッチコピーを掲げ、クラブ周辺の清掃活動など利用者のマナー向上に取り組んできた。
22日の日中には、Zeebraさんが渋谷のクラブで長谷部健・渋谷区長らと会見。「世界中でクラブカルチャーは大きな経済効果を生んでいる。日本では非合法で大企業も参入しづらかったが、これから大きな市場になっていくのではないか」と期待を表明した。
ただ、改正法では営業可能地域が繁華街などに限定され、長年トラブルなく営業してきた優良店であっても、許可を取得できないケースがある。
無許可で客を踊らせたとして風営法違反容疑で逮捕され、最高裁で無罪判決が確定した大阪のクラブの元経営者、金光正年さん(53)は「そういう店は、今後も摘発におびえながら営業しなければならない。警察には新風営法の良識的な運用を求めたい」と語る。
改正法では、クラブや地域住民、警察署長の協議の場となる協議会を設置することが、都道府県公安委員会の努力義務となった。
多くのクラブがある東京・六本木の住民らでつくる「六本木をきれいにする会」の皆川昌博会長(69)は「清掃活動に参加してくれるまじめなクラブもある」としつつ、「酔客や騒音の問題は改善してもらわないと困る。安心できる街にするために、早急に協議会を立ち上げる必要がある」と話している。(神庭亮介)