左からたかまつななさん、ましのみさん、さとえりさん 18歳、19歳の選挙デビューに向け、いろんな試みをしています。「お嬢様芸人」たかまつななさんの「せんきょの学校」をネット中継し、18歳のシンガー・ソングライター井上苑子さんに今の思いを聞きました。高校生の発案によるフォトコンテストも開催中です。政治のイメージをポジティブなものに変えようという試みです。 Voice1819のページ アンケート「政治とワタシ」 投票率高くして、政治家を驚かせたい 18歳の女性社長 ■「投票行かないと…」シミュレーションゲームで 18、19歳の有権者がどれだけ参院選の投票に行くかに注目が集まっています。過去の選挙では若い世代ほど投票率が低い傾向が出ています。ちなみに3年前の参院選では、20代は33%、30代は44%、40代は52%、50代は62%、60代は68%でした。 若い世代が投票に行かないと、どんな影響があるのか。Voice1819の一環で、テレビ番組などで売り出し中の「お嬢様芸人」たかまつななさん(22)の、笑える政治教育をネタにした「せんきょの学校」を動画配信サービス「ツイキャス」でネット中継しました。生徒役として18歳、19歳を代表して、大学生シンガー・ソングライターましのみさん(19)と、ジャニーズの嵐の大ファンという専門学校生さとえりさん(18)が参加しました。ツイキャスで録画が視聴できます。 たかまつさんが始めたのは、「逆転投票シミュレーションゲーム」。「50歳以下の選挙権は廃止する」という政策に賛成か反対か、投票で決着させようというゲームです。 その場にいた記者を含め、18歳高校生、20代会社員、40代主婦、60代会社員、80代高齢者という役割に分かれた5人が投票します。50代以上は自分たちの利益が膨らむであろう「50歳以下の選挙権廃止」に賛成し、50歳未満は反対します。 人数だけなら、3対2で反対多数です。でも、実際の社会では年代ごとの有権者数が違います。その実勢に合わせて80代には40点、60代には90点、40代には90点、20代には60点、10代には10点を与えます。点数の合計だと、賛成130点、反対160点と、なお反対が優勢です。 ここで、たかまつさんが尋ねました。「でも、みんなが投票に行くでしょうか」 「あっ!」「そういうこと?」。生徒からつぶやきが漏れます。 10代の投票率はまだ分からないので、仮に50%としておきます。それ以外は過去の選挙での実績を当てはめます。20代30%、40代50%、60代70%、80代60%として先ほどの点数にかけ合わせると――。 賛成87点、反対68点。賛否が逆転し、むちゃくちゃな政策が通ってしまいました。 「これが実際の世の中で起きていることなんですね」とたかまつさんは解説します。さらに、舞台に立つ時に客層を見て受けそうなネタを選ぶと自分の体験を話します。「政治家も客層、つまり有権者を見て政策を変えて当然ではないでしょうか」と話を締めくくりました。 少子高齢化にともない、高齢者層の政治への影響が強まることは「シルバー民主主義」と呼ばれます。実際、日本で1人が一生の間に政府に払うお金(税金など)と、政府から受け取るお金(年金など)の収支は、年代ごとに大きな差があると言われます。60歳以上は4千万円のプラス、20歳未満は8千万円以上のマイナスという試算があることを、たかまつさんは紹介しました(小黒一正・法政大学教授の試算)。 もちろん現実の政治は、世代間でいがみあい、税金を取り合っているだけではありません。お互い力を合わせ、支え合い、よりよい社会を作っていくことが大切です。 そのためにも、まずは投票に行くことが大切――。これがたかまつさんのメッセージでした。 「深い……」と授業中につぶやいていたましのみさん。「私だけでなく、まわりを巻き込まないと。みんなで選挙に行こうと呼びかけます」と話しました。 さとえりさんもこう言います。 「政治や選挙に関心を持たないと、ほんとコワイんだなって思いました。自分だけがそう思っていても仕方がないので、友だちも誘って投票に行きます」(吉沢龍彦) ■初の18歳選挙、自慢したい 井上苑子さん 選挙の話、最初は正直、あまり興味がありませんでした。公民の授業で一応勉強はしたけど、その時は「テストで点数とれればいいや」くらい。お母さんが投票してるかどうかも知らないし、友だちの間でも全然話題にならない。家で政治の話をするという友だちも、周りにはいません。何で18歳から投票できるようになったのか自体、わからない人も多いのでは。 でも、18歳ということで関連するイベントにお仕事で呼ばれるうち、だんだん変わってきました。 若い世代からすると、自分がかかわっても、別に何も変わらないよね、みたいなところもある。確かに、投票した人が当選するとは限らないけど、選挙は自分の意思を示す1票が本当に大事。18歳、19歳の意見も聞いてもらえるチャンスだと思います。 大人は、老人ホームとか年金と、生活が関わる問題があるかもしれないけど、18歳だと、親と一緒に暮らしてる人も多い。困ってることはあっても、それは国に何かを求める「困り方」じゃなく、友だちに相談したりすることで解決できちゃう。ニュースもしっかりみているわけではないので、日本で何が問題になってるか自体、わからなかったりもする。そこから勉強していかないとって思ってます。 最近は、ツイッターやLINE(ライン)などのSNSで自動的にニュースがタイムラインに上がってくるので、いい機能やな、と。18歳選挙権の話題も、「私18歳やし、ちょっと見ようかな」って思うはず。自分の問題でもあるんだよ、ということがわかれば、ちょっとは興味持てるんじゃないかなと思います。 歌詞を書く時、言葉が硬くならないように意識しますが、選挙って言葉自体が硬い。でも大人にとっては「ちゃんとした人がちゃんとしたことをいわないと信用できない」という面もあるだろうから、選挙自体がゆるーくなってしまうのも、また違う気がする。難しいですね。 投票は行くつもりです。だって、18歳に選挙権が与えられた初めての時に投票できる18歳って、私たちしかいないんですよ。教科書に載ったら、子どもに「お母さん、1回目行ってんで」と自慢したいです。(聞き手・仲村和代) ◇ いのうえ・そのこ 97年生まれ。小6で路上ライブ開始。動画配信サービス「ツイキャス」で同世代に支持され、15年、ミニアルバム「#17」でメジャーデビュー。 ■「これも政治!?」 私が提案したわけ 日常の何げない風景や、大事にしているものが、政治につながっている。そんな気づきを通して、政治を、選挙を、前向きに考えるフォトコンテスト「これも政治!?」を開催しています。スマートフォンやカメラの一コマに、一言添えて下さい。 コンテストを考えたのは東京都内の高校3年生、相原彩良(さら)さん(17)。9月生まれで、参院選にも都知事選にも投票できません。「悔しい。でも、選挙に行くことだけが政治との関わりじゃない」と感じたのがアイデアの出発点だと言います。 普段、友だちに政治の話をすると「ひかれる」のが気になっていました。衆参ダブル選挙の可能性がささやかれ、東京都知事の政治資金問題が連日報じられていたある日、友だちに「衆参両院選と都知事選が重なったら、すごい選挙戦になるよね」と言うと、「ナニそれ~」と笑って返されたそうです。「政治はこれまであった問題点を解決する、本来ポジティブなもののはず。タブー意識を変えて気軽に話題にしたい」と考えました。 スマホで自撮りをしたり互いに写真を撮りあったりしている友だちを見て、「普段使っている物や好きな風景と政治は意外な関わりがあるかもしれない。写真を撮ってシェアしては」と思いつきました。 昨夏まで留学していたスイスで知った、選挙の啓発動画コンテストにもヒントを得たそうです。10~20代の投票率の低さに悩んでいたジュネーブ州が、短編映画で盛り上げようとした試み。現地の友だちが見せてくれた作品は、食事や恋愛の日常のシーンが最後に投票へとつながっていて、そのセンスのよさと説得力に驚きました。 相原さんは、予備校の同級生を通じて知り合った、NPO代表の原田謙介さんを介し、私たちにこのフォトコンテストを提案してくれました。(田渕紫織) ■私たちの取り組み ●Voice1819 18歳、19歳を中心とした、ツイッター上のフォーラム。@asahi1819をフォローして、ぜひ議論に参加してください。 ●アンケート「政治とワタシ」 http://t.asahi.com/1819enq1 で実施中。 ●フォトコンテスト「これも政治!?」 投稿をお待ちしています。@asahi1819をフォローし、メッセージに「#これも政治」と添えて写真とともにツイートしてください。14日まで。 ●私たちのウェブページ |
18歳が知った「シルバー民主主義」 無関心の怖さ納得
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