通学する学生らでいっぱいになった道路=2007年10月、仙台市青葉区、地元住民提供
ご近所の道を通学路と認めて――。東北福祉大(仙台市青葉区)がキャンパス近くの住民を相手に、民事調停を仙台簡裁に申し立てた。大人数の学生が立てる音をめぐり、9年前から続く争い。住民側は「大学への信頼はもはやゼロだ」と、要求を拒んでいる。
争いの舞台は、JR仙山線「東北福祉大前駅」から約300メートル離れた同大国見キャンパスまでの通学路。2007年に駅が整備された後、民家の間を抜ける道を1日約3千人の学生が通るようになった。幅約4メートルで、市の所有する土地と地元住民や福祉大などが権利を持つ私道が混在している。
足音や話し声などに悩んだ地元住民9人は08年3月、学生の通行禁止を求める仮処分を仙台地裁に申請。「慢性的な睡眠不足やめまいなどの悪影響を被っている」「混雑時には車の出し入れもできない」「ゴミが私有地に投げ捨てられている」などと訴えた。5月に成立した和解では、福祉大が「無制限に通行しないよう、教職員らを配置して誘導する」と約束した。
福祉大によると、一部の住民が…