東京都八王子市の傷害事件で東京地検立川支部が男性2人を誤認起訴した疑いがある問題で、東京地検は21日、誤認起訴を認め、公訴を取り消すと発表した。落合義和次席検事は「身柄を拘束したことについて大変申し訳なく思っており、心よりおわび申し上げます」と謝罪した。東京地裁立川支部は同日、公訴を棄却する決定をした。
事件は2014年1月22日未明、JR八王子駅近くの路上で発生。40代の男性2人が相次いで外国語を話す複数の男に殴られるなどしてそれぞれ全治2週間と1カ月のけがを負った。
警視庁八王子署は今年3月、いずれも中国籍で、不動産会社経営の男性(47)と貿易会社経営の男性(39)を傷害容疑で逮捕。2人は「現場にはいなかった」などと容疑を否認したが、地検立川支部が4月に同罪で起訴した。
地裁立川支部で6月下旬に開かれた初公判で検察側は、2人と氏名不詳者の計3人が事件直後、タクシーに乗って逃げたと主張。だが、弁護側がこのタクシーのドライブレコーダーを入手して確認したところ、2人の被告とは別人だった。
弁護側は6月30日の第2回公判でドライブレコーダーの映像の存在を明かし、証拠として調べるよう請求。7月に入り、地裁立川支部が2人の保釈を認めた。地検立川支部は12日、「有罪を求める訴訟活動はしない」と弁護側に伝え、地裁立川支部は13日に2人の勾留を職権で取り消していた。