稀勢の里(奥)は寄り倒しで日馬富士に敗れる=吉本美奈子撮影
(22日、大相撲名古屋場所13日目)
どすこいタイムズ
圧倒された稀勢の里を重苦しい空気が包んだ。両横綱の風呂の間、先に髪を直した支度部屋。ため息の後に「クソッ」と小さくささやいただけ。左ひじに血がにじむ。後は目を伏せて唇が動くことはなかった。
集中力の差を見せつけられた。立ち合いは頭と頭でぶつかり合い、「ゴツン」と鈍い音が館内に響いた。だが、先に低く懐に飛び込んだのは日馬富士だった。稀勢の里は左を差され、右の前まわしを引かれた。
得意の左が入っていれば、展開は違ったかも知れない。だが、頭もあごの下につける横綱の厳しい攻めに、我慢出来なくなり左は上手を取りに行った。上体が伸びた。そこを出られる。一瞬のうちにたたきつけられ、土俵から落ちた。
2人は2004年九州場所でと…