二所ノ関一門の連合稽古に参加した稀勢の里(左)
横綱稀勢の里が苦しんでいる。昨年3月に負ったけがが原因で、ここ6場所連続で休場し、輝きは取り戻せないままだ。13日には東京・国技館で夏場所が始まる。再び休場となれば、年6場所制になった1958年以降の横綱では貴乃花の7場所に並ぶ長期連続休場となり、進退論が浮上する可能性もある。もう土俵際だ。
どすこいタイムズ
8日の二所ノ関一門の連合稽古では平幕の琴奨菊を相手に選び、6勝10敗だった。まわしをほとんど取らせてもらえなかった。稽古後は「これからです」と言って足早に立ち去った。見守った芝田山親方(元横綱大乃国)は「今の状況じゃダメだ。圧力負けと言うより、気持ちと体がバラバラ」と手厳しかった。
「感動的な優勝の代償は大きかったな」と話すのは同じ一門の尾車親方(元大関琴風)だ。昨年3月の春場所13日目に日馬富士に敗れた際に左の上腕と胸を負傷。千秋楽に涙の逆転優勝を果たしたものの、翌場所から休場を余儀なくされた。その後1年間の成績は13勝20敗(不戦敗4を含む)57休。この6場所で配給した金星は12個に上る。
稽古を見た元小結でスポーツキャスターの舞の海秀平さんは「こう攻めたから勝てた、という相撲が少ない」と懸念する。けがにより、左腕を相手の脇にねじ込んで左四つになる「必勝パターン」を失った。それに代わる新たな形を確立できないまま、休場を繰り返して「相撲勘」も失った。
夏場所の出場について、本人は…