世界的な半導体設計会社の英アーム・ホールディングスを約240億ポンド(約3兆3千億円)で買収すると発表したソフトバンクグループの孫正義社長が25日、ロンドンの首相官邸でメイ首相とハモンド財務相に面会した。
報道陣の取材に応じた孫氏は、メイ氏に面会を申し込んだ理由を「今回の買収が(英政府に)歓迎されると直接聞きたかった」と述べた。欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国では今回の大型の買収案件を「引き続き投資先として魅力がある証し」と歓迎する声がある一方で、外国企業による国内の優良企業の買収に反発も起きていた。
孫氏は面会にアーム社のチェンバース会長を伴い、友好的買収であると強調。5年以内に同社の英国内の雇用を倍増させることなどを説明すると、メイ氏らは喜んだという。孫氏は「大きな投資だから、歓迎されずに押し返されそうな雰囲気だと心配になるが、非常に歓迎すると言ってもらって安心感があった」と述べ、今後1、2カ月のうちに買収手続きを終えたいとの考えを示した。
チェンバース氏は「多忙なメイ首相が孫氏に面会したのは、ソフトバンクの投資に非常に前向きな証拠だ」と述べた。(ロンドン=渡辺志帆)