相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が死亡した事件で、殺人などの容疑で送検された元職員の植松聖(さとし)容疑者(26)が、入所者を襲うのをやめた理由について、「職員が部屋に閉じこもったので、通報されると思った」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。神奈川県警は、この職員の行動がなければ、さらに被害が拡大した可能性があったとみている。
特集:相模原の殺傷事件
園の東西の居住棟は、男女別などで「ホーム」と呼ばれる八つのエリアに分かれている。捜査関係者によると、植松容疑者は各ホームに入るたび、1人ずつ配置されている職員を結束バンドを使って拘束。当直勤務だった8人の職員のうち、5人の指や腕を縛り付けていた。こうして警察に通報されないようにしたうえで、職員に入所者の障害の程度を尋ね、特に障害が重い人を狙って襲うことを繰り返したという。
しかし、西側の居住棟2階のホームでは、職員が部屋に逃げ込んで閉じこもったため、植松容疑者は拘束を断念。園を出て近くにとめていた車に乗り、津久井署に出頭した。