連載1回目が載った「子供の科学」1967年9月号(手前)と、二宮さんの作品を集めた単行本。単行本は二十数冊、計300万部が売れた(誠文堂新光社提供)
紙飛行機設計の第一人者・二宮康明さん(90)が、月刊誌「子供の科学」(誠文堂新光社、9万部)で1967年から連載してきた「よく飛ぶ紙飛行機」が、10日発売の9月号で最終回を迎える。毎号1機ずつ紙飛行機の型紙を付録につけ、作り方を紹介。49年間、少年少女の空への夢を育んできた。
二宮さんが67年、米国で開かれた紙飛行機大会でグランプリを獲得したのを機に、同年9月号から連載が始まった。「子供の科学」は24年の創刊。二宮さん自身も少年時代に購読し、最新の飛行機の記事に夢中になっていた縁もあった。
型紙を切り抜いて貼り合わせ、風に乗せて飛ばす。うまく飛ばないのはなぜかを考え、翼や機体の角度を調整する。70~80年代の子どもたちの探究心をかきたて、大人になっても新作を心待ちにする人が少なくなかった。2002年に連載を一度終えたが、雑誌の部数が激減したため、半年後に再開したという。