国内最大の指定暴力団・山口組の総本部(神戸市灘区)の隣に、兵庫県警が近く「警戒所」を新設する。山口組から分裂して結成された指定暴力団・神戸山口組(本部・兵庫県淡路市)との対立抗争状態が続いているため、組員の動きを監視する前線拠点にする。
山口組
捜査関係者によると、警戒所は総本部東側の県有地に置く。現在、2階建ての旧県職員宿舎が市道を挟んで立っており、県警が改装して使う。
山口組の組員は全国に約5700人(3月1日現在)。総本部では「直参(じきさん)」と呼ばれる直系組織の組長が月1回集まる定例会や、組織の運営方針を決める会合などが開かれる。
県警は、捜査員を警戒所に随時立ち寄らせ、組員らの出入りなどを確認。異変をつかみ、取り締まりの強化につなげる考えだ。抗争時には24時間態勢で監視できるよう宿泊設備も整える。
隣には「暴力団追放」を訴える看板も設置予定で、県警幹部は「総本部の目の前だから組員の動きを細かく把握できる。暴力団排除の機運を高めることにもつなげたい」と話す。