チームのために四つ葉のクローバーを探し続けた出雲の宮岡義治君
(7日、高校野球 智弁学園6―1出雲)
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■出雲 宮岡義治君
「幸せ」を探し続けた。
島根大会初戦の2日前。自主トレで学校近くの公園を走っていると、四つ葉のクローバーを見つけた。ふと手が伸びた。摘みとって、吾郷(あごう)主将に渡した。
春は一塁手で、背番号をもらっていた。が、夏は漏れた。悔しかったが、チャンスはまだ1年ある。「違うところで役に立ちたい」。幸運を呼ぶと言われる四つ葉に思いを託す。すると、零封で初戦突破。
「続けるしかない」。2回戦は二つ、3回戦は三つ……。生えていそうなポイントも発見し、強豪私立校との決勝前には1時間で26本見つけた。数の力か、甲子園初出場!
試合に近いほど威力がある。そう考えて抽選会を待つと、初戦は選抜優勝の智弁学園。それも開幕日。「100本探すしかない。けど、時間がないな」。晴れ続きで、葉はしぼんだものばかり。甲子園へ応援に出かける直前、仲間も加わり1時間半で30本。さらに一人で探し回り計50本。
「『四つ葉のおかげで勝てたよ』の一言でここまでやってきた。やれるところまでやりたかった」
この日、先輩らは三回に適時打で1点。アルプス席で得意の指笛を響かせた。でも、相手は強かった。
主将は四つ葉のしおりでぱんぱんになった野球ノートを持ち続けてくれた。次は自分だ。「後輩たちが、四つ葉を探して託してくれるような選手になりたい」(藤田絢子)