リオ五輪の開会式では、ボサノバの生みの親といわれる作曲家アントニオ・カルロス・ジョビンの映像が投映された=長島一浩撮影
5日にあったリオデジャネイロ五輪の開会式の演出を巡り、ボサノバの名曲「イパネマの娘」を作詞した詩人ビニシウス・ジ・モライス(1913~80)の親族が強い不快感を示している。開会式で曲が使われた際、作曲者の写真だけが映し出されたのが理由で、リオ五輪組織委員会を相手に提訴も辞さない構えだ。地元メディアが伝えた。
作曲者はアントニオ・カルロス・ジョビン(1927~94)。「イパネマの娘」は2人の代表曲で、開会式ではジョビンの孫のダニエルさんが曲を演奏した。人気モデルのジゼル・ブンチェンさんがメロディーに合わせて歩くなか、ジョビンの写真は大きく映し出されたが、モライスのものはなかったため、親族が不満を表明しているという。
ジョビンの愛称は「トム」。リオ五輪・パラリンピックの公式マスコット「ビニシウスとトム」の名も、この2人にちなんで名付けられている。(リオデジャネイロ=田村剛)