秀岳館―北海 八回表秀岳館2死二塁、九鬼は右前に適時打を放ち、右翼手が後逸する間に一気に生還しガッツポーズ。捕手佐藤大=金居達朗撮影
(20日、高校野球準決勝 北海4―3秀岳館)
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「絶対にお前をかえすからな」。秀岳館の4番九鬼は、二塁ベース上の松尾に視線を送り、心の中でつぶやいた。
八回2死二塁。3球目をたたいた打球は、鋭いライナーで右前へ。一塁を回りかけたところで、右翼手が後逸するのが見えた。「とにかく全力で、必死に走り続けて」。二塁も三塁もけって、本塁に頭から滑り込む。主将の気迫あふれるプレーで1点差まで迫った。
九鬼、松尾、堀江らは中学時代、硬式野球のクラブチーム、オール枚方(ひらかた)ボーイズ(大阪)で多くの大会に優勝。チームを率いた鍛治舎監督が秀岳館に就任することになり、「ともに日本一を」と熊本へ。強打のチームを作り上げてきた。
春夏続けて甲子園の4強にも、九鬼は「日本一を目標にやってきたので、かなわず悔しい」。それでも、「素晴らしい仲間と野球ができて、幸せでした」。(山口史朗)
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●鍛治舎監督(秀) 一回無死一、三塁で無得点。「本当に悔しい。初回に点を取っていれば、ずいぶんと流れが変わったと思う。まずい攻めだった」
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●田浦(秀) 2年生左腕は七回から登板し、2イニングを無失点。「逆転を信じて準備していた。日本一になるために、この経験を今後につなげたい」