「バリバラ」の一場面。視聴者からの意見も画面上で紹介された
障害者の姿を意図して感動的に描くメディアの手法に疑問を投げかける番組を、NHKが生放送した。8月27~28日に放送されたチャリティー番組「24時間テレビ39『愛は地球を救う』」(日本テレビ系)の終盤と重なる時間帯。両方の番組に出演した障害者は「多くの人が障害者のことを考える日。メディアによる障害者の取り上げ方が変わることにつながれば」と話す。
NHKの番組はEテレの情報バラエティー「バリバラ」。「バリアフリー・バラエティー」の略で、障害者らが出演し、様々なテーマについて笑いを交えつつ本音を語る。2012年に始まり、毎週日曜夜に放送している。
28日は午後7時から「検証!〈障害者×感動〉の方程式」と題して30分間生放送。出演者らは「笑いは地球を救う」と書かれた黄色いTシャツ姿で登場し、司会者が「あの番組の裏でやってますから」と話すなど、24時間テレビを意識した演出を重ねた。
ちょうど24時間テレビがフィナーレを迎える時間帯。SNSなどでは放送前から「バリバラが24時間テレビにけんかを売っている」と話題になった。放送後も「NHKやるなー。共感できた」「ずっと考えていきたいテーマをもらった感じ」と、反響が続く。
番組では冒頭、豪州のジャーナリストで障害者の故ステラ・ヤングさんのスピーチ映像を流した。ステラさんは、感動や勇気をかき立てるための道具として障害者が使われ、描かれることを、「感動ポルノ」と表現。「障害者が乗り越えなければならないのは自分たちの体や病気ではなく、障害者を特別視し、モノとして扱う社会だ」と指摘した。
一般的な「感動ポルノ」の例と…