3日、街角で投票を呼びかける最中に、支持者から声をかけられる劉小麗さん(右)=香港、石田耕一郎撮影
4日に投開票される香港立法会(議会)選挙。民主化を求めた2年前の大規模デモ「雨傘運動」の参加者らも立候補している。デモの経験を無駄にしたくないという思いだ。候補者には、日本の学生団体「SEALDs(シールズ)」の創設に関わったメンバーや台湾の学生など、交流してきた各地の若者から応援のビデオメッセージが寄せられている。
大学講師の劉小麗さん(41)は既存政党が市民運動の声を吸い上げていないと感じ、無所属で立った。募金を通じて選挙資金を集め、手探りの選挙運動で支持拡大を図る。
2年前、占拠した路上で、市民と民主主義や社会問題を語る「小麗民主教室」を開いた。デモ収束後も毎週2~3回、支援者が借りたオフィスビルの1室や街頭で、政府予算の使い道や経済政策などを講義。すでに約250回を数え、今も毎回30~50人の学生や高齢者らが参加する。
「雨傘運動は市民の政治意識を高めた。ネット上でも政治論議はかつてないほど活発になった」と言う。貧しい家庭に生まれ、苦学して博士号を取ったとの自負があり、選挙では社会保障の充実などを訴える。
「雨傘運動の後、一部の人たち…