国連安全保障理事会の理事国大使らが3日、訪問中の南スーダンで、同国の閣僚らと会談した。安保理は先月、現地に展開中の国連平和維持活動(PKO)に4千人を増派する決議を採択したが、南スーダンは明確な受け入れ姿勢を示さず今も派遣時期は未定のまま。安保理側は受け入れを迫った模様だ。
会談後、米国のパワー国連大使と南スーダンの閣僚ロモロ氏が首都ジュバで記者会見した。
米国の発表によると、記者団からPKO増派への南スーダンの立場を問われると、ロモロ氏は「私たちは決議をどう実行するか形式を協議している」と述べ、反対姿勢は示さなかった。安保理が8月に決議を採択した際、同国代表は「拒絶する。主要な紛争当事者の同意というPKO原則に反している」と反対姿勢を鮮明にしていた。
同国の治安は、戦闘の再発で数百人の市民が犠牲になった7月よりは落ち着いているが、それでもパワー氏は増派は必要との考えを示した。また、パワー氏は増派が妨げられた場合、南スーダンへの武器禁輸に賛成する立場を強調し、同国に圧力をかけたという。
8月の決議は、現地のPKOに「地域防護部隊」4千人を増派することを決め、国連施設や市民への攻撃を準備していることが分かれば、いかなる相手であれ、積極的な武力行使に踏み切るという内容で、従来よりも強い権限を認めた。さらに、南スーダンが部隊の任務を妨げた場合などに、同国への武器禁輸を検討することも明記した。
南スーダンのPKOには、日本も約350人の陸上自衛隊員を施設部隊として派遣している。(ニューヨーク=金成隆一)