九電の瓜生社長(左)に原発停止の再要請をする鹿児島県の三反園知事=7日午前10時45分、福岡市中央区、河合真人撮影
鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事は7日、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)を直ちに停止させ安全性を再検証するよう、九電の瓜生(うりう)道明社長に再度要請した。8月に要請した一時停止に九電が応じなかったため、「極めて遺憾」と批判していた。
三反園知事は福岡市の九電本店隣のビルで瓜生社長と会い、要請書を手渡した。川内原発を直ちに停止して設備の再点検などを求めたほか、避難道路の整備や避難支援のための車両の追加など住民の安全対策について、さらなる支援を求めた。
三反園知事は「知事として住民の安全を守らなければならない。できるだけ早く停止して検証していただきたい。避難道路や避難車両への要望も多い。県民の安全を守るため、ぜひご英断を」と話した。瓜生社長は「鹿児島県民の原子力の不安に対するさらなる低減に向けて、また、原子力発電所のさらなる安全性、信頼性の向上に向けた観点から真摯(しんし)に検討して参りたい」と応じた。
三反園知事は8月26日、4月の熊本地震後に住民の不安が高まっているとして、川内原発を直ちに停止して再点検することや避難計画に対する支援の強化などを瓜生社長に要請した。瓜生社長は今月5日、10月以降の定期検査入りまで稼働させ、定期検査とは別に追加の「特別点検」を実施する方針を回答。避難支援のための福祉車両を十数台追加配備することや、発電所内の地震計のデータをリアルタイムで公表することなども打ち出していた。
九電は今月5日、川内1号機の定期検査を10月6日から実施すると原子力規制委員会に申請。2号機も計画通り、12月16日から実施する予定だ。