ロンドンで6月、女性の解放を求めるキャンペーンで配られた写真。ラトクリフさん(左)と娘が笑顔で写っている=AFP時事
英BBCは9日、英国とイランの国籍を持つ慈善団体職員の女性(37)が、イランで禁錮5年の判決を受けたと報じた。罪名は明らかにされていないが、国家転覆の罪とみられるという。女性は4月、イランに住む両親を娘(2)とともに訪れ、テヘランの国際空港で逮捕された。娘はパスポートを取り上げられ、現在は女性の両親とイランで暮らしている。
BBCなどによると、女性はトムソン・ロイター財団の職員、ナザニン・ラトクリフさんで、9日、ラトクリフさんから英国に住む夫に電話があったという。BBCの報道では、イランの体制維持を担う革命防衛隊は、ラトクリフさんがジャーナリストや人権活動家を支援していたことが国家転覆の罪にあたると主張しているという。ラトクリフさんは150日以上拘束され、体重が激減して歩くことも困難な状態という報道もある。
ラトクリフさんの夫はインターネット上で、英国のメイ首相とイランの最高指導者ハメネイ師にラトクリフさんの解放を求める署名活動を展開。10日現在、80万人以上の署名が集まっている。(ロンドン=笹井継夫)