過激派組織「イスラム国」(IS)を裁きにかけることを求める少数派ヤジディ教徒のナディアさん(前列右)。言葉に詰まると、付き添った弁護士アマル・クルーニーさん(同左)が肩をさすっていた=16日、米ニューヨークの国連本部、金成隆一撮影
過激派組織「イスラム国」(IS)に家族を殺され、「奴隷」として拘束されたイラクの少数派ヤジディ教徒のナディア・ムラド・バセ・タハさん(23)が16日、人身売買の被害者らの尊厳を訴える国連親善大使に就いた。米ニューヨークの国連本部で演説し、被害者支援を訴えた。
特集:「イスラム国」
ナディアさんは故郷のイラク北部シンジャル近郊の農村で2014年8月、ISに襲撃された。6人の兄弟は殺され、ナディアさんは性的な目的で何度も人身売買された末、奇跡的に脱出に成功したという。
ナディアさんは「私は農民でした。演説をするように育てられたわけではありません。普通の人生は永遠になくなってしまいました」と時折声を震わせながら演説。3200人以上いるという同じような境遇でとらわれているヤジディ教徒の救出や、ジェノサイド(集団殺害)や人身売買の被害者らを難民などとして受け入れるよう、国連加盟国に呼びかけた。
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