架橋50年を迎える天草五橋。天門橋(1号橋)の交通量が増えたために横では新天門橋の新設工事が進む=9日、熊本県上天草市、朝日新聞社ヘリから、森下東樹撮影
九州本土と熊本県の天草地域を結ぶ天草五橋が開通して、24日で50年。当時としては世界最高水準の技術で「天草に夜明けをもたらした」と言われる。架橋から半世紀たった今、架橋の実現と離島振興に「命をかけた」という当時の一人の首長の歩みに、地元で光があたり始めた。
■「夢のかけ橋」が実現
天草五橋は有明海に突き出た熊本県宇土半島の三角から大矢野島、永浦島、大池島、前島を経て天草上島まで五つの島を結ぶ。架橋が実現したことで天草地域は「離島」から「半島」へと変わり、天草へのアクセスは大きく向上した。
天草架橋が提言された当時、地元の反応は冷ややかだった。橋は川にかけるものというのが常識だった時代に、海峡をまたぐ構想は島民からも「夢のかけ橋」と言われた。「実現するはずもない夢物語」という意味だったとされる。
離島振興に大きな役割を果たし…