カフェインを除いたペットボトル飲料は種類が豊富だ
コーヒーやお茶に含まれるカフェインを取り除いた飲み物を、大手メーカーが相次いで発売しています。眠れなくなるのが不安な人や、赤ちゃんの健康を気遣う妊婦さんらに人気です。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
コンビニの飲料コーナーには、カフェインレスやカフェインゼロをうたう商品が多く並ぶ。
これまでは「健康ミネラルむぎ茶」(伊藤園)や「アサヒ 十六茶」(アサヒ飲料)など、カフェインを含まない原料から作られるものが中心だった。ここ数年は、特殊な技術を使って除去したものが広がっている。キリンビバレッジの「午後の紅茶」やサントリー食品インターナショナルのコーヒー「ボス」など、有名ブランドの商品も発売されている。
市場調査会社の富士経済によると、ノンカフェインやカフェイン少なめを売りにした清涼飲料の国内販売量は、2016年は4年前の1・7倍近くに伸びるという。全日本コーヒー協会によると、取り除く処理をした生豆の輸入量はここ3年で2倍近くに増えた。
人気の背景には、「カロリーオフ」といった健康志向が支持されるなか、摂取を抑えたいニーズがある。
集中力アップや眠気覚ましに効果がある一方で、寝る前には控えたいという人も目立つ。妊婦が大量に摂取すると、発育に影響する可能性を指摘した研究結果もある。
スターバックスやタリーズなど大手コーヒーチェーンも「デカフェ」などとしてカフェインレス商品を扱っていて、認知度は高まってきている。(中村光)
■「ボス」いつもの味と香り
サントリー食品インターナショナルは、無糖コーヒー「ボス デカフェブラック」を6月に発売した。カフェインを92%カットしながら、レギュラーコーヒー並みの味と香りを目指したという。1日のうち2~3本目として飲んでもらうことも勧める。500mlペットボトルで、希望小売価格は139円。
■香り豊か やさしい紅茶
アサヒ飲料は紅茶「フォション やさしい紅茶 ストレートティー」を6月から販売している。カフェインを抜いた粉末紅茶に、アールグレイの香りを絡ませ、うまみも残した。600ml入りでゴクゴク飲めるのが特徴だという。希望小売価格は151円。
■茶葉の量1.6倍「生茶」
キリンビバレッジは、定番の「生茶」シリーズとして「キリン カフェインゼロ生茶」を出している。カフェイン以外の成分を損なわない製法で、従来品と比べて茶葉の量を1.6倍にしている。500mlペットボトルで、希望小売価格は151円。
■ブラジル&コロンビア豆
UCC上島珈琲は、カフェインを97%カットした「UCC おいしいカフェインレスコーヒー 無糖 PET900ml」を3月に発売した。ブラジルとコロンビアの豆を使い、奥行きのある味わいに仕上げた。希望小売価格は345円。
主なメーカーのおすすめ商品から選びました。価格は税込み。
(きりとりトレンド)
■カフェインレスコーヒーを飲む理由
(UCC上島珈琲の2015年の調査。回答数が多い順)
①睡眠に気を使っている
②コーヒーを飲む量が多い
③取りすぎは良くない気がする
④健康に気を使っている
⑤胃への負担を軽くするため
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〈カフェインレス飲料〉 全日本コーヒー協会の定義では、本来含まれるカフェインを90%以上カットしたもの。「カフェインゼロ」には明確な定義がないが、100ミリリットル中の含有量が1ミリグラム未満のものを指す場合が多い。100ミリリットル中には一般的なコーヒーで60ミリグラム、煎茶で20ミリグラム前後のカフェインが含まれている。