大手家電量販店の「フリーテル」コーナー。東京ガスの営業網を活用し、販売を伸ばす=プラスワン・マーケティング提供
東京ガスは23日、格安スマートフォンの販売に乗り出す方針を明らかにした。通信会社と提携し、傘下のガス機器販売会社で売る。今年4月から家庭向けの電力販売に参入し、都市ガスと電気を同時に契約した顧客の料金を割り引く「セット割」を展開しており、格安スマホでも「セット割」を検討する。
「フリーテル」ブランドで格安スマホ事業を手がけるプラスワン・マーケティング(東京)と交渉に入った。フリーテルは、データ通信だけなら月299円から使えるなど、格安スマホ業界の中でも低価格を強みにしている。東京ガスは、ガス機器販売などを担う首都圏の約200店を通じ、年内にもスマホを売り始める考えだ。
電力自由化に続き、来年4月には家庭向けの都市ガス販売も自由化される。今度は大手電力との競争が激化する見通しだ。すでに、東京電力はソフトバンク、関西電力はKDDIと組み、電気代と通信料金をセットで割り引くプランを出している。東京ガスも通信会社と提携し、サービスの幅を広げる必要があると判断した。(米谷陽一)