横浜市神奈川区の大口病院で入院患者2人が相次いで中毒死した事件で、4階のナースステーションに残された未使用の点滴のうち、10個ほどに小さな穴が開けられていたことが捜査関係者への取材でわかった。死亡した2人以外のものにも穴があったといい、神奈川県警は、何者かが無差別に患者を狙い、注射針で消毒液を混入した可能性があるとみて調べている。
捜査関係者によると、穴は点滴のゴム栓部分を保護するフィルムで見つかった。点滴が投与される際、このフィルムははがされる。袋部分に目立った穴や傷はなく、県警は医療器具に詳しい人物がフィルムの上からゴム栓に注射針を刺したとみて、中身の鑑定を進めている。ゴムは収縮するため、針が通った跡はよくわからないという。
点滴はいずれも、17日午前に病院1階の薬剤部から4階のナースステーションに搬入されたもの。3連休だった17~19日分で、使用予定日ごとに段ボール箱に入れられ、死亡した西川惣蔵さん(88)、八巻(やまき)信雄さん(88)にも投与された。20日に八巻さんの死亡が確認された際、未使用の点滴が約50個残っていた。
点滴はそれぞれ記名されていた…