点滴袋などを運ぶカート。運ぶ際には扉を閉めて施錠する(産業医科大病院提供)
産業医科大病院(北九州市八幡西区)で20日、点滴袋に再び穴が見つかった事件で、穴が見つかる直前の約20分間、点滴袋は看護師らの目が届かない状態だったことがわかった。施錠されたカートに入れられていたが、合鍵は院内に約60本あり、10月に合鍵1本が紛失している。病院が23日に記者会見で明らかにした。
産業医科大病院、また点滴袋に穴 監視カメラは作動せず
病院によると、点滴袋は今月20日昼前に病棟の地下で薬剤師2人が準備し、破損がないことを確認。別の薬剤師が処方通りかを点検してカートに入れて施錠し、委託業者が9階に運んだ。
9階のナースステーションでは看護師2人が鍵を開けて点滴袋の点検を始めたが、入院患者への配膳のため、いったん中断。カートを施錠し、リーダーの看護師が鍵束を首にかけて配膳を始めた。約20分後に点検を再開し、間もなく穴の開いた袋に気づいたという。
病院は「外部の人が触れる可能性はなかったと思う」と説明。地下と9階で袋やカートを扱った関係者は薬剤師、委託業者、看護師の計6人に限られる。
一方で、院内に約30台あるカ…