武田未央さん=京都市南区
日本人28人を含む185人が死亡したニュージーランド(NZ)南部地震から22日で6年を迎える。発生時にNZに滞在していた京都市の看護師武田未央さん(42)は、現地で遺族のサポートにあたった。海外で働くことを夢見ていた日本人看護師13人が犠牲になった地震。「被災したのは自分だったかもしれない」との思いを胸に遺族と交流を続けている。
岡山県出身。発展途上国で活動してみたいと、2004年から国際医療NGO「AMDA」(岡山市)を通じて内戦の続くスリランカ、洪水に見舞われたタイなどに赴いた。
NZ南部地震の発生した11年2月22日は、北島最大の都市・オークランドにいた。半年間の短期語学留学のため、2月上旬に着いたばかり。AMDAの要請で同25日に被災地クライストチャーチに到着した。
倒壊したカンタベリーテレビ(CTV)ビルでは日本人28人を含む115人が亡くなった。語学研修中の若者も多かった。安否確認のため駆けつけた日本人家族たちはビルに近づけず、日本の外務省やNZ警察の説明を待つ毎日だった。
「かけられる言葉はなかった」と振り返る。そばで体調を気遣いながら、血圧を測ったり洗濯機の使い方を教えたり。困り事を一つ一つ解決できるよう、一緒に考えた。被災者のホストファミリー宅で荷物を引き取り、遺体が見つかった際の身元確認に必要な試料を集めるための通訳もした。
家族たちの帰国に合わせて3月…