米ニュージャージー州ホーボーケンで起きた脱線事故で29日、崩壊した駅舎の屋根の下に埋もれる通勤列車=ロイター
米ニュージャージー州ホーボーケンで29日に通勤列車が脱線し、駅構内に突っ込んだ事故で、同州のクリスティー知事は1人が死亡したと発表した。負傷者は100人以上いるが、全員回復する見通しという。在ニューヨーク日本総領事館によると、この事故で50代の日本人男性もけがを負った。米テレビは当初、「3人が死亡」と報じたが、後で修正した。
米で通勤列車が駅舎に突っ込む 1人死亡100人超けが
この事故では、ホーボーケン行きの列車が午前8時45分ごろに脱線して車両止めを越え、待合エリアまで進入。駅舎も大きく壊れ、屋根の一部が崩落した。亡くなったのは、ホームに立っていた34歳の女性で、がれきが当たったという。
ニューヨーク州のクオモ知事によると、列車は制限速度を超えて駅に近づいていたが、原因は分からないという。米国家運輸安全委員会(NTSB)は事故原因の解明のために調査チームを派遣しており、詳細を調べる方針。運転士は負傷して病院に運ばれたが、既に退院し、調査に協力をしているという。
事故を起こしたのは、ニューヨーク市とニュージャージー州をつなぐ「ニュージャージー・トランジット」の列車。ホーボーケンは、マンハッタンからハドソン川を渡ってすぐの主要駅で、フェリーやバスの乗客を含めて1日に約5万人が利用するという。(ニューヨーク=中井大助)