箱根駅伝予選会。「10位日大」というアナウンスが流れた瞬間、中大の選手の何人かが泣き出した。うつむいていた藤原監督は後ろに手を組んだまま動かなかった。「44秒差だけど完全に力負け。選手はよく頑張った。私の指導力不足。導いてやれなくて申し訳ない」と悔しがった。
優勝回数最多(14回)の名門だが、近年は途中棄権などでシード権を獲得できなかった。大学は監督に元世界選手権代表の藤原氏を招くなど、てこ入れを図った。藤原監督は1年生の舟津を駅伝主将に任命し、選手たちの意識改革を促してきた。
箱根駅伝、中大が予選敗退 最多87回連続出場
チームの状態は少しずつ上向いてきたが、箱根には届かなかった。4年生エースの町沢は「自分が貯金をつくらないといけなかった。駄目な走りをしてしまった」。舟津は「うじうじしている間に他大は先に進む。涙を流して切り替えた。新しい中大をつくっていきたい」と前を向いた。