「結婚するには若すぎる」と思っているうちに相手がいなくなる――。企業による結婚支援のあり方を考えるため内閣府が14日に立ち上げた有識者検討会(座長=佐藤博樹・中央大大学院教授)で、未婚率が高い背景について、こんな分析結果が報告された。年内には提言をまとめるが、早めの結婚を促す支援策を盛り込む可能性もある。
検討会の委員でニッセイ基礎研究所の天野馨南子(かなこ)研究員が昨年の出生動向基本調査や国勢調査をもとにした分析結果を報告した。
独身でいる理由を聞かれ、「まだ若すぎる」とした回答は、25歳未満の男性で50%と第1位。同世代は女性でも41%と2位で、1位は「仕事(学業)にうちこみたい」の46%だった。それが25~34歳になると男性の45%、女性の51%が独身の理由を「適当な相手にめぐり会わない」と回答し、それぞれ1位。25歳を境に反応は、くっきり分かれた。
30~34歳で、配偶者のいる人は男性の5割、女性の6割を超えているとし、天野氏は「アラサー(30歳前後)になって突然焦り出す人が多いが、その頃には選べる相手は半減している」と指摘。企業などに対して「『結婚は仕事ができるようになってから』を押しつけないこと」を求めることが重要だと主張した。
ただ、早期結婚を促すことには反発も予想される。検討会では、職場で「結婚しないの?」などと聞かれることを苦痛に感じる人もいるとし、慎重な議論を求める意見も出た。(伊藤舞虹)