エアコンや冷蔵庫の冷媒に使われ温室効果が大きい代替フロン、ハイドロフルオロカーボン(HFC)が地球温暖化対策のため、段階的に生産規制されることになった。14日、ルワンダの首都キガリで開かれていたモントリオール議定書締約国会合で実質合意した。議定書を改正してHFCを規制対象に加える見通し。日本などの先進国は2019年から削減を始める。
日米など先進国は36年までに基準年の11~13年の平均に比べ、二酸化炭素(CO2)で換算して85%にあたる量を削減する。中国やインド、途上国は20年代を基準年とし、40年代までに80~85%を削減する。中国などは24年、インドなどは28年から削減を始める。
HFCには複数の種類があり、温暖化への影響が大きいものを優先して規制し、影響が小さい物質に切り替えていく。米国などのチームによる研究では、HFCを規制すると今世紀末までに0・5度の気温上昇を抑えられるという。
モントリオール議定書は1989年に発効し、紫外線を遮るオゾン層破壊の原因となるフロンの使用が規制された。HFCはフロンの代わりに冷媒として使われるようになった。
だがHFCはオゾン層は壊さないものの、CO2の数百~数千倍も温室効果が大きい。このため、モントリオール議定書を改正し、HFCを規制対象に加えることが09年に提案され、議論されてきた。
今年5月の主要7カ国(G7)…